読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

タイトル未定

アニメとか映画とか小説の感想を書いたりします。予定です。未定なんです。

『ドクター・フー』が面白かったという話

あけましておめでとうございます。もう2月ですけどね。前に書いた時から半年近く。ワオ。

始めてみて分かったけど、ブログって意外とめんどくさいんですねぇ。何書くか考えないととっ散らかるし(今がまさに)、考えれば時間かかるし。皆さんすげい。

ものぐさ魂には、パパっと思いついたことをサクッと書けちゃうツイッターがぴったり来るのでした。

 

 

というわけで、イギリスが産んだSFドラマシリーズ『ドクター・フー』のシーズン1を、どんなもんじゃいと見始めたら、あんまり面白くて3日たらずで見終えてしまったのでした。ファンタスティック。

 

そも『ドクター・フー』とは何ぞや。

時空を行き来できる宇宙人、通称「ドクター」が、地球人の同行者と共に未来に行ったり過去に行ったりしながら、そこで巻き込まれた宇宙人との騒動をどうにかこうにか解決したりするSF冒険譚。

過去の世界で、未来の世界で、現代で。SFとオカルトとホラーが入り混じったワクワクする物語に溢れていて、大いに笑う話があり、真面目なのにジワジワくる話もあれば、かなり怖い話もあり、感動だってさせてくれます。

そんなごったがえしたお話を彩るのは、予算があるんだか無いんだか分からない凄くレトロでチープで愛おしいビジュアルの数々。

タイムトラベルに使う装置ターディスは、電話ボックス(ポリスボックス)の外見にカモフラージュされているが中は広い。

過去にドクターの種族と大きな戦いを繰り広げた、宿敵ダーレクの姿は、何というか禍々しいR2-D2

出てくる宇宙人はキモいスター・ウォーズみたいなデザインばっかで見てて楽しいです。

そんなB級感溢れるビジュアルと、「古き良き」な王道SF物語で作られる世界がひじょーに好み。

 

Wikipedia先生によると(ダメじゃん)、その歴史は1960代まで遡り、世界で最もエピソード数の多いSF番組としてギネスにも登録されているとのこと。

そして、1989年に一旦終了したシリーズが2005年に再開したのが、今回俺が見たシリーズ。

なので正確にはシーズン幾つ目なのか分からない(調べるのがめんどくさいとも言う)ので、便宜上のシーズン1。

 

そんな『ドクター・フー』の設定で個人的に熱かったのが、ドクターの種族は死に際して別の身体に転生することができ、姿形や性格はちょっと違っても、それは皆同じドクター。

何十年も前の俳優が演じたドクターも、最近の俳優が演じてるドクターも、皆同じドクター。役者の交代に合わせた設定だったんだろうけど、連綿とシリーズが続いた結果、大河的で素敵な設定に。

 

そんなわけで、ここからは備忘録的に各話の感想をば。ネタバレ多いのでお気をつけくだされ。

 

 

エピソード1 「マネキン・ウォーズ」

地球人ローズとドクターの出会い、そして冒険の始まり。

舞台は現代のロンドン。

いきなり「マネキンが動き出す」なんて話を繰り広げながら、着地点は異星人による侵略と、ごくごく真っ当なSF。

窮地を助けてくれた男を探していくうちに、彼が歴史上のあらゆる記録に残っている謎の多い人物だと分かった時の高揚感。それを教えてくれるドクター研究家が妻子持ちの普通のオタクなことにほっこり。

成り行きから行動を共にし、問題を解決し終えて、冒険へと誘うドクターと、一歩を踏み出すローズの姿。何を見せてくれるのかとドキドキワクワクな第一話。

マネキン化したローズの恋人ミッキーのビジュアルの面白さがヤバい。

 

エピソード2 「地球最後の日」

舞台は一気に未来へ飛んで、地球の終焉を観光に来たツアー団体の宇宙ステーションの中。

宇宙各地からやってくるバラエティー豊かな異星人たち。

水槽に浮かぶ巨大な顔、フェイス・オブ・ボーもツボだけど、最後に残った「純粋」な地球人が顔の張り付いた皮だけというのが反則級に面白い。乾燥するから「水をかけて」とか言い出すので本当にズルい。異星人に囲まれてちょっと傷心気味のローズとのトゲトゲしたやり取りが面白かった。

その中で起こる異常事態と、迫り来る地球の最後。

前話でも出ていた戦いをあまり好まない、人の死を望まないドクターの姿が早速強く出てた。

サスペンス調な話で、ドクターの過去にもちょっと触れられ、世界が少しずつ広がっていくのが良いですね。

 

エピソード3 「にぎやかな死体」

現代、未来と来れば、お次は過去。

1869年のカーディフを舞台に、ドクターとローズ、そして講演会をしていたチャールズ・ディケンズが、動き回る死体の謎に挑む。

一度地球という星の終焉を見せながら、その次の話に出てくるのが実在の作家、という振り幅がズルいですわ。

そして流石はBBC、過去の街が映える映える。バシッと決まったビジュアルが堪らない。

SFというよりもゴシックホラーな話の運びだけど、普通ならゾンビやら幽霊やらになりそうなところをそうしないのがまた上手い。

そしてシリーズ通しての伏線なんかもしっかり張られていて、改めて見事な作り。

脚本は、BBCのドラマ「SHERLOCK」のマイクロフト役、及び脚本でお馴染みのマーク・ゲイティス。後述のスティーブン・モファットも参加していて、原点はこの辺りにもあったんだなぁとボンヤリ。

 

エピソード4 「UFO ロンドンに墜落」

エピソード5 「宇宙大戦争の危機」

前後編ー

現代に帰ってきたローズとドクター。しかしターディスの設定ミスで、最初の出発から一年が経っていた。

心配していた母からは冒険を止めるよう言われ、ドクターは殴られ。

そんな中、ロンドンのビッグベンにUFOが墜落。対策を練るため集まった議員たちの様子がオカしく……。

トップクラスにB級な宇宙人スリジーンファミリーの出オチ感。

しょーもないながら、陰謀論めいた話が二話かけて着々と進んでいくのが面白い。

一話では蚊帳の外気味だった母とミッキーもピンチに直面し、ちょっとずつドクターへの信頼感が生まれてくるのが丁寧で好きだ。

あとこの一年、ミッキーはローズのお母さんにローズを殺したと疑われていたというのが地味に酷くて笑う。

前後編かけた割にはザックリした話だったけど、これまで以上に追って追われてな戦いが楽しかった。

ドクターやローズと共に戦う議員さんのキャラがまた良い。

ラストの、お母さんの「10秒経ったわ……」がせつねぇ。

 

エピソード6 「ダーレク 孤独な魂」

アメリカの地下深く、救難信号をキャッチしてドクター達が来た先は、エイリアンの品々を集めた博物館。

そこの人間たちに捕らえられたドクターは、救難信号を発していたエイリアンの元へと通される。その正体は、かつての大戦でドクター達「タイムロード」と戦い、共に滅びたハズの宿敵、ダーレクの生き残りだった。

中盤に差し掛かって、一つの転換点みたいな回。

ダーレクのいる場所に閉じ込められ、「出してくれ」と叫ぶドクターに、見てるこちらが慌てる。

そのダーレクの姿がまたシュールなのだけれど、力を得た時の無慈悲さ、強さがまた怖いこと。

声は最初からめっちゃ怖い。

彼を殺そうとするドクターと、ダーレクの変化を見て、彼を生かそうとするローズ。

殺伐とした話で、今までと違って本気で焦り、怒るドクターや、ローズの成長が一気に見られる回。

助手のお姉さんが中々良いキャラしてたので、再登場しないかな。

 

エピソード7 「宇宙ステーションの悪魔」

地球帝国華やかなりし頃、人類の文明が最も輝いていた頃の未来、宇宙ステーション「サテライト5」へと飛んだドクター達。しかし、文化は粗雑で情報は統制されていて、それはドクターの知っている世界ではなかった。

デモリションマン』と『12モンキーズ』みたいな未来感。ニュースの報道時に、頭の一部が開いて直接脳に情報を接続させるという凄い光景が見られますよ。

支配者を倒すべく上へと上がっていくベタベタな展開も楽しいし、そのグロテスクな容貌もB級感に溢れてる。

前話から同行していた少年の顛末も、可哀想でありしょうがなくもあり。

あと、敵側にサイモン・ペッグがいて笑う。

 

エピソード8 「父の思い出」

ローズが物心つく前に事故で死んだ彼女の父親。孤独に死んでいった彼のそばにいてあげたいと、事故の当日へと遡る二人。

しかし、その光景に耐えられなかったローズは、思わず父を救ってしまう。

このシーズンだと、一番好きな話かな。

「父親」「事故」「過去」「改変」なんて、ベタベタな要素からベタベタな話が出来上がるわけですが、それゆえにグッとくる。

過去を変えてしまえばその結果引き起こされることもあるわけで。

ドクターは自分の行うことの意味を理解してるけど、そこまで理解の及んでないローズはその後も楽しそうに父親と話し合う。この差が浮き彫りになる回。

歪んだ時間軸を浄化しようとやってくるクリーチャーのおっかなさも一風変わってて素敵。

そして次第に、全てを察し受け入れていく父の姿に泣ける。

変わらなかった事実と変わった経緯が救いに満ちていてとても良いです。この辺りかららようやくローズがカッコよくなってきた。

 

エピソード9 「空っぽの少年」

エピソード10 「ドクターは踊る」

またまた前後編。

危険信号(宇宙では紫。赤なのは地球だけなんですって)を放つポッドが地球に落ちそうなのを確認し、それを追い、1941年、第二次世界大戦最中のロンドンへとやってきた二人。

落ちたポッドを探すドクターは、空襲の中他人の家から食料を盗み、子供たちに分け与える少女に出会う。

一方ローズは元タイムエージェント、現在自称犯罪者のジャック・ハークネスと出会う。

脚本は「SHERLOCK」でおなじみスティーブン・モファット。後にドクター・フーの製作総指揮を勤めることになる彼の二本。

ヒューゴー賞の短編部門を取ったというこの話、文句なしに面白かった。

4,5話もそうだったけど、前後編は特に話の進む先、行き着く先が全く分からない。

特にこの話は、「ママを呼ぶ少年の声」「落ちたポッド」「ガスマスク」「伝染する傷」「タイムエージェント」と、要素一つ一つがどう絡むのかがサッパリで、見ていく内に全てが収束していくエラいお話でした。

ローズと新キャラ、キャプテン・ジャックとのやり取りも面白く、サイキック・ペーパー(相手に見せたいものが映る)を看破したり騙したりと、これまでの経験が活きていて何だか嬉しい心持ちに。

それにしてもガスマスク周りの描写完全にホラーで、子供が見たらトラウマものじゃないのかしら。

 

エピソード11 「悲しきスリジーン」

現代のカーディフ。3話の事件で出来た次元の裂け目が開き、そこからターディスの燃料を補給するドクター。

ローズやジャック、ミッキーと楽しく食事をするドクターだったが、カーディフの新聞を見て仰天する。そこに映っていた市長の姿は、あのスリジーンの生き残りだった!

一発ネタじゃなかったんかい。というわけで、5話の続き。舞台が3話のカーディフだったり、シリーズ通しての繋げ方が上手いなぁ。

前回は宇宙規模のビジネスで、今回は脱出の手段。つくづく地球ってば……。

人間の皮を文字通り着るスリジーンの、人間として暮らしすぎたがゆえの悲哀。追っかけっこもあるにはあるけど、ドクターとスリジーン、ローズとミッキーそれぞれの静かな会話が印象的。

最後の結末は詰まるところ、望みであったわけで。何ともいえない気分になる話だった。

ジャックの宇宙ジョークがサッパリわからねぇ。

 

エピソード12 「バッド・ウルフ」

エピソード13 「わかれ道」

前後編であり、クリストファー・エクルストン演じるドクターの最終エピソード。

謎の光に包まれ、バラバラになった三人は、ワケも分からないままそれぞれTV番組に出演させられる。

ドクターは同居人と規則通りに住まわされる番組(これがテラスハウスか)、ローズはクイズ番組。そして、規則を破った者、クイズに負けた者は消滅させられてしまう。

すぐに脱出したドクターは、そこがかつて、自身が正しい道を示したサテライト5であることを知る。

というわけで、シーズン1の最終エピソード。一応正確にはもう一話残ってるんですが、キリが良いのでここで終わりに。

どういう形でケリをつけるのかと思っていたら、やっぱり出てきた最大の敵。ちゃんと復活には理屈もあるので、まぁ納得。

ドクターが時間を移動して干渉するその責任のような話もあって、中々にキツい。

ドクターが敵の本陣に乗り込む、ドクターに助けられ、彼に色々と教えられたローズが、彼を助けるためにターディスに乗るなど、最終エピソードだけあって熱い展開てんこ盛り。

今まで散りばめてきた伏線や人間関係がクライマックスに向けて結実していくのが良かった。

それにしても、随分若返ったなドクター。

 

 

と、全13話大いに楽しませて頂きました。他では絶対見られないだろうなと感じる物語、ビジュアルで大満足。

未知の領域に踏み出していく興奮、既知の世界と未知の世界とが溶け合っていく楽しさ、シリーズ通しての壮大なスケールの面白さにワクワクドキドキしっぱなしで、これからまだまだ先が長いのが嬉しくて仕方ないです。

それにしてもドクター役、クリストファー・エクルストンが最高の一言で、笑顔や憂い、早口な喋りに立ち居振る舞い全てが魅力的。深く刻まれたその演技に10代目ドクター、デイヴィッド・テナントがどうアプローチしてくるのかも非常に楽しみ。

huluで見たので字幕だけだったんですけど、吹き替えだと山路さんがドクターで、真綾さんがローズ……。気になる……。